ずっとずっと、悶々としている。
もう3年か。
人生を通しての趣味としていた乗馬にも、ほとんど気持ちが向かわなくなり、乗馬クラブの友人とも、高校時代の友人とも疎遠になった。仕事帰り、自転車をこぐことさえ面倒になり、それを45分、押し歩き、帰るようになった。
離婚をして出戻っていた家を出て、職場の近くへ引っ越し、日当たりが悪いと、また引っ越し。体調不良と夜勤が重なり、ついに職場でダウン。
「子宮筋腫」が見つかった。
手術が決まり、クリニックの看護師さんには、大いに励まされて送り出していただいた。しかし、それで落ち込んではいない。
やっと休める、そう思った。
やっと休める。たった数週間だけど、やっと、休める。
まだ気持ちが前を向いていたころ、やりたいことはたくさんあった。金融投資、副業、筋トレ、もちろん乗馬を続けることも。
金融投資についてはNISAをはじめた。筋トレは、パーソナルトレーニングへ半年通い、基礎の基礎を繰り返し練習した。副業に向けてパソコンを購入し、ワードプレスでブログを開設。SEOについて勉強した。
結局は、NISA以外、形になり始めた段階で、気持ちが続かなかった。
そんな私が、今、はてなブログに登録し、こうして画面に向かっている。それは、ある言葉がきっかけで、少し気持ちが上向いたからだ。
4月14日放送の大河ドラマ「光る君へ」で、蜻蛉日記を書いた寧子が、主人公のまひろ(紫式部)に打ち明けた言葉。
「書くことが、寂しさを救ってくれた」
まひろの兄弟や知人が自分の生き方を見つけていく中で、私だけ前に進んでいないと感じていたころ、「若いころの寂しさを、蜻蛉日記に書くことで消化していた」という寧子の告白だった。
ドラマのまひろは、ここで『源氏物語』の着想を得るわけだが、私も「書くこと」をもっと簡単に始めてみようかなと、久々に前向きに考えられたのだ。
8月に手術が決まってから、乗馬クラブの友人、高校からの友人から、ご飯の誘いが来た。職場に病気を打ち明けて、「頑張っておいで、ちゃんと休みなよ」と、優しい言葉をいただいた。
きっと私は恵まれている。
きっと私は、また前を向ける。